展示会・見本市   

サン・テティエンヌ国際デザインビエンナーレ_1「住宅から労働を考える」

17.04.13

フランス中部にある人口約17万人の都市、サン・テティエンヌで「サン・テティエンヌ国際デザインビエンナーレ」が3月9日〜4月9日まで開かれた。

国営の武器製造工場の跡地を会場に、プロダクトやインスタレーションの展示だけでなく、ガイドツアーやワークショップといった催しもあり、広く人々に開かれた印象だ。近年、日本では地域の魅力を再発見することを目的とした芸術祭が開かれている。サン・テティエンヌはそのデザイン版だが、スタートは20年前の1998年にさかのぼることから、地方創生の取り組みの走りと言える。

ちなみに、サン・テティエンヌのスローガンはデザインシティー。公共空間のストリートファーニチャーを地元美術大学の学生がデザインしたり、製造を地域企業が担うなど、生活の場にデザインを取り入れ、市民が住みたくなるような町づくりにも取り組んでいる。

そんな場で開かれたビエンナーレで科学領域のディレクターを務めるオリヴィエ・ペイコット氏が掲げたテーマは、「Working Promesse, Shifting Work Paradigms(仕事の未来、働く意識の変化)」。住まいやクルマのシェアエコノミーが浸透した現代において、誰と仕事をするのか、働くとはどういうことなのか、生きがいは持てるのかなど、クリエイターや社会学者の視点を取り込み、働くことの再考を促す内容だ。

例えば、「産業のターミナルとしての住宅」という展示では、住宅の創出を起点に多くの産業が生まれ、生産活動が育まれてきたという見方を示す。

▲ 住宅を起点にして生まれた産業の1つに宅配業がある。Zebra社の小型ウェアラブルコンピュータ「モビリティDNA」は、商品配送センターの在庫管理で人の労働をサポートする。


同時に、住まいのなかでの労働にも目を向ける。例えば、台所で食事をつくるという行為。その空間は工場の製造ラインにヒントを得て構成されているという。調理では何よりも手順が大切だ。その手順をシームレスにつなげるために、システム化したキッチンが誕生したというわけだ。そこでは、食材を洗い、作業台で準備をして火にかけ、料理を皿に盛って素早く食卓に運ぶための水平のレイアウト。できるだけ動き回ることがないよう、調理器具を頭上や作業台の下に収納して、手を伸ばせば届くような垂直のレイアウトが考案された。

1946年にル・コルビュジエとシャルロット・ペリアンは、こうした工場の生産ラインのような効率を重視したキッチンをデザインしている。そこにはキッチンカウンター越しにリビングルームの家族とコミュニケーションをとれるような配慮もなされていたそうだ。(文/長谷川香苗)

▲ 作業の効率性を追求したシステムキッチンの考え方をオフィス空間に持ち込んだ展示。

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