連載コラム「ナカダイの産業廃棄物日記」   

第34回「劇場型ワークショップ マテリアルカルタ!」

15.11.21

今回は、ナカダイが開発している劇場型ワークショップについてです。ワークショップというと、組み合わせて何かをつくることを思い浮かべます。ナカダイもつくる・壊す・解体するワークショップは工場の内外で行ってきました。廃棄物=マテリアルとは、その形状だけではなく、プロフィールに特徴があります。なぜ廃棄になったのか、どこの国から来たのか、何に使われる予定だったのか、などなど。私たちがマテリアルプロフィールと呼ぶモノの流れや社会の仕組みにフォーカスしたワークショップが「マテリアルカルタ!」です。自社の強みを再認識し、他業種の知恵を吸収し、新しい価値やサービスを生み出すために必要な思考プロセスを学ぶことができる劇場型ワークショップです。

まずは、マテリアルを70種類程度(これは出張の場合の数)をずらっと並べます。もちろん、モノ:ファクトリーでやる場合は、そもそも数百種類のマテリアルライブラリーがありますので、その場でやります。そして、最初は観察。マテリアルプロフィールは教えません。今まで見たこともないと思っているのは本人だけで、実は、結構身の回りにあるものを並べています。そして問題です。下の写真、何だと思いますか。

モノを運ぶためのパレットは、海外から製品や部品と一緒に数多く輸入され、さまざまな工場や倉庫に運ばれます。私たちは、製品や部品には意識がいきますが、運んできたパレットや荷崩れ防止のラップ、結束していたPPバンド、入れられていたダンボールは意識から外れています。これは私たちの生活も同じで、テレビの画面の大きさ、きれいさは意識します。しかし、それの持ち運ぶための取っ手の溝や転倒防止のビス穴などを注意深く見ることはあまりしません。モノには、それに付随するさまざまな履歴と工夫が存在します。

例えば、自社の部品を取り出し、他業種のマテリアルと並べ、他業種の人たちとマテリアルカルタ!をやるとします。自社で見慣れた当たり前の使い方や機能がありますが、別の業界の人にとってはその形状自体が珍しく、思いもよらない使い方をします。既存概念にとらわれない自由な発想をといわれてもなかなか難しい。まして、自社製品の強みを生かして、別のビジネスをと言われても……という声をよく聞きます。しかし、業界や年齢、性別の違う多様な人たちが集まる機会をつくり、マテリアルを手に取って、たくさんの使い方を創造すると、同じマテリアルでも着目点がさまざまで、自分とは違うモノの見方、捉え方を目の当たりにし、さらに自分の考えとリンクさせて……と今までにはない新しい思考の組み合わせが起こります。

発表はチームごとに行いますが、学生でも社会人でも、ナカダイの社員にとっては見慣れたマテリアルを、全く別の機能として使う例がたくさん出ます。そのマテリアルの特徴をそれぞれが発見し、使い方を創造していきます。ナカダイには業界を問わず、さまざまなマテリアルが存在し、垣根なく、一同に並んでいます。実は、これがいちばんの肝で、同業他社だけでなく異業種のマテリアルを一同に見ることができる場所でもあります。

企業研修の場合、その会社の部品などを混ぜて並べます。別の部署や他社からの参加者が自分たちのマテリアルを手に取って、斬新な使い方をすることで自社の強みを認識し、他社のマテリアルに触れることで、自社に転用できる機能を見つけることができるかもしれません。なにより、自分が思ってもいないモノの捉え方を共有し、たくさんの人の思考のプロセスを学ぶことができます。結果、今までの概念を打ち破る新しい価値やサービスを生み出すきっかけになるかもしれません。
私が大事にしたいのはここの部分で、これをやれば新しい価値やサービスを生み出せます!とは言えませんが、何かを生み出す思考のプロセスは学べるはずです。

参加者によって学びと思考のプロセスが変化する劇場型ワークショップ「マテリアルカルタ!」。前橋でも品川でもやりますが、出張も行きます。70種類のマテリアル、まとめるとこんな感じにコンパクトです。車1台で運べます。大学での授業や企業の研修も行っていますので、体験したい方は是非お声掛けください。

最後に、先ほどのマテリアルの答えは、ホワイトボードを回転させて裏表逆にするために両サイドについている部品でした。(文/株式会社ナカダイ 中台澄之)

この連載は株式会社ナカダイ常務取締役・中台澄之さんに産業廃棄物に関するさまざまな話題を提供していただきます。

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