富山ガラス作家協会展2014「ガラスが繋ぐ、人、未来」より   

第9回「吉田 薫」

14.12.29

「LAYER OF AIR」(フュージング/スランピング H120/ W600/ D100mm)

富山の美しい自然の中で雪や氷、水と戯れて育った私には、ガラスが持つ透明・半透明・不透明という他の素材にはない表情が心の奥深くに漂います。ガラスは高温では柔らかく溶け、引っ張れば長く伸び、成形後は固く冷たい。けれどもろい面もあり、大切に扱う気持ちが生まれます。このように相反する面を持つガラスの不思議さに飽くことなく制作を続けています。

私の作品は溶けているガラスを糸状に引き、そのガラスの糸を溶着させます。溶着の温度・回数によって、氷のようであったり、布状に見えたり、ガラス繊維そのものの表情を残すこともあります。この溶着した糸を曲げ、動きが出てくると、生命を与えられたかのような新鮮な気持ちになります。

今回の作品はガラスの軽やかな流れと、その流れがつくる空間を意識して制作しました。ガラスの層であると同時に空間の層であり、新たな展開をしてみたいと、次の制作が楽しみになった作品です。

吉田 薫/1993年富山ガラス造形研究所造形科卒業。94富山ガラス造形研究所研究科修了。96年まで富山ガラス造形研究所助手。97年GLASS FACTORY K’s studio開設。
e-mail: kaoruyoshida0131@gmail.com

この連載は、去る3月に六本木のアクシスビル地下1階シンポジアで開催された富山ガラス作家協会展2014「ガラスが繋ぐ、人、未来」に参加した9名の作家の皆さんに、ご自身の作品とコンセプトについて語っていただきます。

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