連載コラム 「大谷和利の気ニナルデザイン」   

vol.18 浮遊型コテージ「アイスバーグズ」

12.02.20

土地不足を解消するためのマクロ的な視点での埋め立てや海上都市の建設は、古今東西にわたって数多くの試みがなされてきた。一方で、ミクロ的な個人ベースの水辺の空間利用としては、ロンドンやアムステルダムの運河などで見られる船を利用した住宅、あるいはアジア各地の水上住宅などが存在する。

直訳では「あからさまな建築」となるオーストリアの建築事務所、エクスプリシット・アーキテクチャーのダニエル・アンダーソンは、フィンランドのホテルの依頼で、観光客にとって魅力的な湖畔のサマーコテージのアイデアを求められたときに、氷山にヒントを得た「アイスバーグズ」というコンセプトを提示した。

本体のほとんどが水面下にある氷山のように、アイスバーグズは、サンデッキを兼ねたルーフ部分だけを水上に出し、居住空間はすべて水中に没している。この基本構造と湖底に降ろされたアンカーによって、波や風による揺れは最小限に抑えられ、宿泊者は水面下の窓から、泳ぐ魚などを見ながらリラックスして過ごせるという。

電力や飲料水は、湖底のケーブルとパイプを使って供給されるほか、万が一の漏水などに備えて排水ポンプも組み込まれている。




大谷和利/テクノロジーライター、東京・原宿にあるセレクトショップ「AssistOn」のアドバイザーであり、自称路上写真家。デザイン、電子機器、自転車、写真に関する執筆のほか、商品企画のコンサルティングも行う。近著は『iPodをつくった男 スティーブ・ジョブズの現場介入型ビジネス』『iPhoneをつくった会社 ケータイ業界を揺るがすアップル社の企業文化』『43のキーワードで読み解く ジョブズ流仕事術:意外とマネできる!ビジネス極意』(以上、アスキー新書)、『Macintosh名機図鑑』『iPhoneカメラ200%活用術』(以上、エイ出版社)、『iPhoneカメラライフ』(BNN新社)など。

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