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夢の電気バイク「zecOO(ゼクウ)」製作プロジェクト/前編 思い描いたイメージを目に見える形に

12.01.19

昨年11月の東京デザイナーズウィークで、1台の電気バイクが来場者の熱い視線を集めた。「色即是空」から命名された「zecOO(ゼクウ)」。米国の大型電動スクーター「ベクトリックス」をベース車とし、「わくわくする電気バイク」をテーマに斬新な乗り物をつくり上げた。デザインはカーデザイナーの根津孝太氏(znug design)。設計・製作を担当した中村正樹氏(オートスタッフ末広)らと密なコミュニケーションを重ね、夢の実現に向けて走った。わずか半年という開発期間での苦労や想いを紹介する。

▲東京デザイナーズウィークで展示された「zecOO」

「子どもの頃に思い描いた夢の乗り物をつくりたい」。本プロジェクトはカーデザイナー、根津孝太氏の強い想いからスタートした。根津氏はトヨタ自動車の元デザイナーとして愛・地球博で発表されたコンセプトカー「i-unit」などを手がけ、フリー転身後も人と乗り物の新しい可能性を探求し続けている。そんな同氏が構想するのは「わくわくするような電気バイク」。製作や設計など各分野のエキスパートと共に、電気バイク開発において重要な課題の1つであるバッテリーの取り回し、モーターの搭載方法を検討して特許出願を果たした。さらに重要なポイントとして追求したのが「乗り物としてのカッコよさ」だった。

▲「zecOO」のスケッチ案

▲「Autodesk Alias」で作成したゼクウの3Dデータ。横から見たところ

ゼクウは車体を横から見たとき、円弧をいくつも重ねたようなカタチが印象的だ。アルミの削り出しによるメインフレームや、ドライカーボンのカウルなど素材の使い方にもこだわりがある。「今回は僕が本当にほしいものをつくろうと思いました。とはいえ一点ものではなく、大量生産との中間的な限定数生産という可能性を模索したい。コンセプトに賛同してくれるものづくりのパートナーと一緒に考えながらカタチにしていく。それが日本のものづくりの姿なんじゃないかと思っています。ボディをあえてジャパンカラーにしたのも、わくわくするものづくりで日本を元気にしたいというメッセージを込めたかったから」(根津氏)。

デザインに際して根津氏が使用したのは、Autodesk(オートデスク)社の3Dソフト「Autodesk Alias(エイリアス)」だ。描いた平面スケッチを精細な3次元データに起こしていく。考えながらカタチを作るという作業に適したソフトだという。「『Autodesk Alias』を使うことは、自分の中でものづくりのプロセスをもつことと同じ」と根津氏は説明する。「デザイナーは自分一人でものを作ることはできません。製作者にデザインを渡す前に、少なくともデザイナー自身が“これならいける”という確信をもてるカタチにしておくことが大切。その作業がデジタル上でできるのは大きい」(根津氏)。
(「Autodesk Alias」によるデザインプロセスの詳細はこちらで紹介されています)

▲「Autodesk Alias」で作成したゼクウの3Dデータ。アルミ削りだしのメインフレームは根津氏のこだわりの一つ。この中にバッテリーとモーターが内蔵される

▲「Autodesk Alias」で作成したゼクウの3Dデータ。フレームの上にカーボンのカウルをかぶせた状態

▲「Autodesk Alias」で作成したゼクウの3Dデータ。完成形

こうしてできあがった青写真を元に、夢を実現するパートナーとして根津氏が真っ先に声をかけたのがオートスタッフ末広(千葉県・蘇我市)の中村正樹氏だった。同社は地域密着型でバイク販売を行いながら、合法改造にこだわって多くのカスタム車を製作してきた。09年に根津氏は中村氏の依頼で三輪のトライク「ウロボロス」をデザインし、それ以降厚い信頼関係で共同作業を続けてきた。

▲オートスタッフ末広

▲「ウロボロス」。昨年トミカとしても発売され、約10万台を売り上げた

今回のゼクウについても、デザイン案を見た中村氏から「未来を感じますね。きっと完成しますよ」という快諾のメールが返ってきた。それは根津氏の頭の中で思い描いた夢が、CGとして目に見える絵となり、いよいよ現実のモノとして生まれる段階に入った瞬間だった。(文/今村玲子)

▲「Autodesk Alias」で作成したゼクウの3Dデータ。「ソフト上で背景を設定し、カッコよく見えるアングルから撮影するなど自分のモチベーションを高める」(根津氏)ことも作業の上で大事な要素

▲左:中村正樹氏、右:根津孝太氏

オートデスクの製造ソリューションについてはこちら

ーー後編に続く

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