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ドリルデザインの「ペーパー・ウッド・シリーズ」商品化

10.03.17

▲ペーパー・ウッド・シリーズを用いたプロダクト第1弾「PAPER-WOOD STOOL」。Photo by Takumi Ota

本誌141号(2009年10月号)「information」コーナーで紹介した、合板研究所による「ペーパー・ウッド・シリーズ」が、北海道芦別市の滝澤ベニヤ株式会社で商品化された。合板研究所とは、ドリルデザインと家具製作ユニットのフルスイングが、

▲建築・建材展(3月9日〜12日、東京ビッグサイト)の滝澤ベニヤのブースもドリルデザインの手によるもの

2007年から自主的に始めた合板をテーマとする研究活動。「素材から提案したら、より面白いものができるのでは」と、さまざまな素材をベニヤにはさみ、試行錯誤を重ねていった。そのうちの1つである色紙とベニヤを積層した「ペーパー・ウッド・シリーズ」を2009年に国内の展示会で発表。一緒になって商品化に取り組んでくれるメーカーを求めていた。

▲Photos by DRILL DESIGN

名乗りを上げた滝澤ベニヤは、単板(たんぱん、ベニヤのこと)と合板を製造・販売する会社。展示会で合板研究所の試作品を見たとき、同社取締役の瀧澤貴弘氏は「紙はベニヤに比べて強度がないと思い込んでいたので、考えたこともなかった素材」と驚いたという。しかし、強度試験は一度でクリア。もともと新たな合板を模索していたことから、合板研究所との協業を開始した。

商品化にあたっては、精度を出すことに苦労したと瀧澤氏は言う。日ごろ紙に触れていて、そんなことを感じたことのある人は少ないに違いないが、厚さ1mmに近い紙ともなれば、0.1mm前後の誤差は少なくないという。何枚も積層していくうちに、それが大きな差になってしまうのだ。

商品化されたペーパー・ウッド・シリーズは、3種類。シリーズ1はシナ材を、他の2つは北海道産の白樺の間伐材を用いている。また、紙の色数や厚さにもバリエーションがあり、どれも塗装などの後加工とは違う、独自のストライプ模様を生み出している。

▲ドリルデザインは「PAPER-WOOD STOOL」とこの「PAPER-WOOD BLOCK」などをミラノサテリテに出展予定だ。Photo by DRILL DESIGN

気になる価格帯だが、フィンランドバーチとシナアピトン合板の中間に当たるぐらいを想定しているとのこと。高級合板の範疇に含まれるが、インテリア空間を手がけるデザイナーにとっては魅力的な素材なのではないだろうか。また、これを削り出したら、さらに違う展開があり得るかもしれない。開発したドリルデザインは、すでにいくつかの相談がもちかけられていることに手応えを感じるとともに、どのような空間、プロダクトができ上がるのか期待を寄せている。クリエイターの想像力をかき立てる素材が、デザイナーたちの研究活動から誕生したという意味でも、ペーパー・ウッド・シリーズは画期的な商品だろう。

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