プロダクト    展覧会   

リコーのコンセプトデザイン展が銀座で開催中。会期は11月16日まで

09.11.06

RIMG1334

銀座4丁目の交差点に建つ三愛ドリームセンタービル。この8F、9Fにあるリコーフォトギャラリー「RING CUBE」で現在、同社のデザイン部門による初のデザイン展が開催中(会期は11月16日まで)です。会場には、「見て、感じて、心のフォーカスを合わせる」をテーマとしたデジタルキャプチャーツールの提案が並びます。

展示されたプロトタイプは、初公開のものも含め全部で5点。新横浜、アムステルダム、サンノゼといった各デザイン拠点のスタッフがアイデアを持ち寄り、社内コンペによって選ばれたものだといいます。

新しい使い方を創造するインターフェースあり、斬新なスタイリングありと、インハウスデザイナーによる自由な発想によって生み出された提案の数々は、見応えがあります。その提案とは……

RIMG1324

「∞Loupe」 デザイン:佐々木智彦(総合デザインセンター)
——子供と虫取りをして∞Loupeにデジタル保存。虫は自然に帰す。アナログとデジタルが共存し、さまざまな使い方が広がる作品です(コメント:総合デザインセンター 斉藤和幸、以下同)。

「∞Loupe」は、現実の世界を飛び超え、過去や未来までも目前の世界の延長であるという考えのもと、超現実的世界を映し出すカメラです。インターネットへのアクセス機能を備えることで、時間軸を往来するような検索を可能とし、目前の光景を過去に遡って知ることなどができます。また、ミクロの世界からマクロの世界へ、あるいはその逆へと、双方の視点で物事を俯瞰することも可能。ズームイン/アウトという単純な動作を発想の始点に、丸い液晶が映し出すのは、物理的&時間的制約を超えた新たな情報世界です。

RIMG1332

「FramEZ」 デザイン:Guus de Hoog(ヨーロピアンデザインセクション)
——デザイナーが南極に旅行に行ったときに思いついたコンセプト。南極って旅行に行くとろこなの!そんなスケールの大きさを感じさせる作品ではないでしょうか。

「FramEZ」は、ちょうど名刺大の薄い板にレンズユニットが乗っかったカメラです。フレームと使用者との距離に応じてズームイン/アウトができる直感的なズーミングシステムなどを盛り込み、また、取り込んだデータを複数枚のフレームをつなげて拡大表示したり、フレームごとに共有することもできるといいます。カメラは時として相手の表情を強ばらせたりすることがあります。そうした心理的バリアを取り除き、感動を一瞬たりとも失いたくないという思いが、このデザインを生んだといいます。

RIMG1330

「Finger Frame」 デザイン:小田 聡(総合デザインセンター)
——子供たちとの絆を表現した作品。デザイナーの優しさがにじみ出ています。価格は給料の3カ月分でどうでしょか?

「Finger Frame」の姿は、カメラというよりも指輪に近いといえます。しかし、この提案の魅力は、そうした造形にあるわけではありません。親指と人差し指を使ってフレームをつくるポーズ。その瞬間に、枠の中に表れる表情や情景を、指輪に仕込まれたレンズと指先のちょっとした所作で止めることを可能とします。ファインダーやディスプレイ、レンズを介さず被写体と向き合うことで生まれる距離感や親密感が、記録された映像をより思い出深いものにしてくれるのかもしれません。

RIMG1328

「BLOX」 デザイン:谷内大弐(カリフォルニアデザインセンター)
——実は、モデルができ上がってきていちばん楽しそうだと思えたのがこの作品。こんなブロックで遊びたい。 Let’s BLOX!!

展示のなかでもっとも目を惹いたのがこの「BLOX」という作品です。その名称からも積み木(Blocks)がモチーフになっていることがわかります。本体表面にマグネットを埋め込み、ユニット同士を自由に連結。つなげ方やつなげる数に応じて撮影領域を広げられる拡張性から、新しい写真の楽しみ方を提案します。縦方向に数台を積み上げたカメラからどんな絵が生まれるのか、想像するだけでも楽しそうです。

RIMG1326

「GRID」 デザイン:奥田龍生(総合デザインセンター)
——11日からの展示を楽しみにしていてください。

「GRID」は、GRシリーズの新たな展開を予感させるモデルです。インターネットとの接続を想定。現実の世界に止まらず、ネットの世界に展開するシーンや画像をも記録の対象として、その撮影を可能とします。撮影した画像をネットにアップすれば、瞬時に世界中の人とその画像を共有。写真を通じたコミュニケーションの加速にも、一役買いそうです。

多様化するユーザー嗜好に応えるためのデザイン強化の取り組みとして、プロトタイプ制作はますます重要になってくると考えられます。具現化したデザインの反応を展覧会で探り、アイデアをより深化させていく。こうしたプロセスを踏んだデザインが、いっそう磨かれたものとなって市場に登場することを期待したいものです。

Ricoh Design Exhibition——in focus
“見るからはじまる”コンセプトデザイン
会期:10月30日(金)〜11月16日(月)  火曜日休館
開館時間:11:00〜20:00
会場:RING CUBE(東京都中央区銀座5-7-2

関連記事はありません

maxray
D&AD
indaba
RICOH GR digital
Living Motif
Le Garage
Follow me jiku twitter
連載
tomosu

第22回「2011年の鎮魂のあかり」
12.01.28

vol.16「レベル10 Mマウス」
12.01.30

第10回「雷と空っ風、義理人情」
12.02.03

Creative Deutschland

第24回「スヴェン・エルヴァーフェルトさん、創作の集大成」
11.11.28

series_shelf

第12回「Catch-bowl」
12.01.31

第2回「今津康夫/ninkipen!」
11.05.05

第3回「モノのアジ」
11.09.13

12回目は「マルチリモコン」 いよいよ最終回です
11.10.04

AXIS magazine アーカイブ
designers on AXIS cover

Designers on AXIS cover 9  「リチャード・ハッテン」
09.09.29

ザ・プロトタイプ・アーカイブ

ザ・プロトタイプ・アーカイブ 10 東京大学 先端科学技術研究センター「木洩れ日のディスプレイ」(2006〜)
09.11.25

本づくし

創造への繋がり 50 『アンジェロ・マンジャロッティ』/評者 深澤直人(デザイナー)
12.01.04

月別アーカイブ